誰もが終わったと思った。

しかし驚愕の光景を目にする事になる。

二つに割れたシオンの身体は、何事も無かったかの様に二人の人物に再構築された。

つまりシオンが二人になった、と言うのが正しい表現だろう。

「そ、そんな…」

アミだけじゃなく、その場に居た者も、その状況に混乱する。

「中々お強いですね、お嬢さん」

二人のシオンが同時に喋る。

「私は人形使いと呼ばれる者でしてね、斬れば斬る程、私の分身ともいえる人形が殖えるという素敵な能力でね」


それじゃ倒す方法が無いじゃないか!

狂座にはこんな化け物達がごろごろいるのか?


その場に居る者達は改めて、狂座の恐ろしさに震撼した。