「気配は消したつもりだったんだが…、バレてたのなら仕方ないか」

壁を壊して現れた一人の男。

この時代にそぐわぬインテリ眼鏡をかけ、俗に言う優男風の男は、かなり異質な雰囲気を漂わせていた。

「何奴!?」
「何故この地に外部の者が?」

その場に居た者達に緊張が走り、一斉に臨戦体制に入る。

優男風の男はインテリ眼鏡を指でクイっと上げ、口を開く。

「私は¨狂座¨第十六遊撃師団長シオン」

冥王軍¨狂座¨の一角がこの地に侵入した瞬間であった。