【侑亜】



恋人岬で孝介からもらった指輪。


夕日に反射してキラキラしてる。


「侑亜、いつまでそれみてんの?」


「だって嬉しいんだもんっ!!!」


指輪を見るたびに顔がニヤける。


「指輪じゃなくて俺みろょ~」



「えぇ~」



他愛ない話をしながら駅まで歩いていく。



「なぁ侑亜…」



「ん?」



「侑亜────」


キキィ─────



タイヤが擦れる音で孝介の声は消された。



そして、ドンッと言う鈍い音がして体全身に痛みがはしった。




目の前には、血だらけの孝介が倒れていた。