───2年前。
「付き合って下さい」
あたしは高校の修学旅行でいった宿の近くの海で告白された。
あたしのクラスで一番モテル(らしい)佐久間 拓哉(サクマ タクト)に。
わざわざ海まで呼んで。
周りの女の子達はきっと、
『ロマンチック~♪』
って言うと思う。
けど、好きでもない人にいわれても…
「ごめんね…佐久間くんの気持ちに答えられない。
あたし…好きな人いるんだ。」
できるだけ…本当にできるだけ
優しく、傷付けないように告げた。
「…そっか。好きな人…いるんだ。ならしかたないか!!!」
「本当にごめんね…」
あたしは顔色を伺うように佐久間くんに声をかける。
「いや、いいんだ!!!ここに来てくれただけでも十分なんだ。
ありがと。」
それだけいって、佐久間くんは走って宿にもどった。