社長の溺愛・番外編




「っは……やだぁ…」



こてん、と力尽きたように俺の胸に頭を落とした翼



「やだ?どうして…?」



乾ききらずに微妙に濡れている髪を撫でながらそっと頬に手を添えれば彼女は困惑気味に口を開く



「だって…慎が触ると、何もわからなくなる…から」

「そっか、わからなくなるのか」

「うん」



自分がいかに大胆発言をしたかなんてわかってない翼は添えられた俺の手に擦り寄る



「それにね…次の日になると、歩けないの…」



それが俺による所為だとは知らない彼女、いつも意識が飛ぶまで続けるのだから当たり前だろう


まぁ、翼相手ならば限界などないのだけど



「じゃあ今日は寝る?……風呂でしたからな」

「………寝る」



わざと耳元で先ほどの行為を思い出させるように囁けば翼は顔を隠すように胸に埋めて小さく呟く



思わず、くすりと笑えば拗ねたように頬を膨らます



「じゃあ寝よっか。一緒にね」



そのまま抱っこするように抱き上げて膨れた頬にキスをするとシューッと空気が抜ける



「慎、大好き」

「うん、ありがとう。大好きだよ」