社長の溺愛・番外編




「怒ってないよ。寂しかったね、ごめん」



チュッと薄く桃色が差し込む頬にキスをする


久しぶりのそれに翼は顔を赤らめて恥ずかしそうに肩口に顔を埋める


腕に抱いたままリビングに向かうと、翼は勉強していたらしく教科書やノートが開いたままになっている


ペンがラグの上に落ちていることから翼が急いで出迎えに来てくれたことが伺える



そっとソファーに降ろして傍らにジャケットとベストを脱ぎ置く



ネクタイを外し、シャツのボタンを数個外すとじっとこちらを見る翼と目が合う



「翼?どうかしたか…?」

「…………」



上目遣いでじっと見つめる翼の視線は俺、てはなく俺の手がかかる胸元だ


ちらり、胸になんかあっただろうかと自分を見るがとくに何もない



「どうした、言ってごらん」



さらりと肌触りの良い柔らかい頬を撫で上げると彼女は真面目な顔をして言う



「赤い印…もうない…」