「はぁ……?」
音楽は鳴り続けてるが、中には気になることが堂々と書かれているため綴じることも出来ずに空気が変なものになる
数秒して、それを静かに綴じると音は止んでなんともいえない空気に俺は言の葉をとばす
「どういうことだよ、これ」
「………母さんが、うん」
父さんはしどろもどろになって挙動不審、一緒にカードを覗き見ていた幸弘は俺から目をそらす
ああー、もう…
思わず気怠いため息がでてしまった
「慎、母さんの気持ちもわかってあげてくれ。娘のように大事に思っていたんだ、会いたいのは当然だろ?」
低姿勢のくせに父親の口振りでなんだか矛盾している雰囲気だ
「で、これは何時から?翼と過ごす予定なんだけど」
指先でピラピラ弾いたカードを提示しながら少々、機嫌の悪さをアピールしてみる
「その日1日あけてくれたらいい、次の日も休めるように調整する」
だから…、と続ける父さんは昔からとことん母さんに弱い
可愛い可愛いといって何でも言うことをきき、甘やかしているのだ

