社長の溺愛・番外編




ちょっとそわそわして落ち着かなくなった俺はとりあえず散らかったデスクの上を片付ける



あ、無くしたと思ってたタイピン見つかった


思わぬところで出てきたそれをスーツのポケットにいれる


バサバサと音を立てる書類をまとめて、やりやすい場所に置けばまぁまぁ普通……汚くはなくなった



それから意味もなくスケジュール帳を開いて今後の予定を見つめる


あ、会議は来週か


いくつかの予定を疲れきった脳に叩き入れてふと、視線をあげる


開く様子のないそれに妙な緊張感がわいてくる



なぜか焦る気持ちを抱いて俺は怒られる前の中学生みたいにドアを睨み付けてみた



しかし、それは微動だにすることなく……数秒ほど睨みつづけてあきらめた


と、その瞬間にドアがあき、気品のある革靴が姿を表した



「久しぶりだな、慎」