「仕事をするにはさ、時間が必要だろ?」
「うん…必要…」
だから先ほどまで翼をベッドに寝かせて自分はパソコンを睨み付けていたのだ
愛する翼と誕生日を迎えるためには、すこしの間翼との時間を削らなくちゃいけない
「翼が寝るときにも、仕事をしなくちゃいけないんだ」
「…………」
酷く複雑そうな表情を浮かべる彼女に思わず苦笑してしまう
「だから、これから暫くは…翼に一人で寝てもらいたいんだ、ごめんな」
「……それが、プレゼント?」
「ああ、辛い思いをさせるけど、その思いをくれたらそれだけで十分だ」
ぎゅっと抱き締める。できることなら泣かせたくなんかないし、こんな酷いプレゼントだって貰いたくない。
だけど現実には必要になってしまうから残酷だ。

