「慎…まっ…て、待って…」



息を荒くしたまま必死にキスを止める翼に名残惜しくも止めてやる



「どうした?」



小さい子をあやすように背中に回した手で頭を撫でる



「あの、あのね…」

「うん」



ゆっくりでいいよと促せば再び潤み始める瞳に思わず苦笑してしまう



「泣いてちゃわからないだろう?」

「だって、あの…」

「うん、だって何?」

「誕生、日…どうしよって…」


途端、ついに涙が流れる


その姿にも愛らしさを感じるが今はそんなこと所ではなく…


ああ、そうかと納得する



「誕生日か、そうだったな」

「ごめ、なさい…お仕事、邪魔しちゃって」

「大丈夫だよ、ちょうど煮詰まってたから」

「………いいこと?」

「そう、いいことしたんだよ翼は」