社長の溺愛・番外編




二年前――――……


中学からグレはじめた俺は昔から頭だけは良く、受験勉強なんかせずに受かった高校生活に期待なんかしていなかった



入学式だってほとんど寝ていたせいで記憶がボヤけている



そんなやつがまともに学校なんか行くわけもなく、その日も昼から教室にも行かず屋上で過ごしていた


「あー……ダリぃ……」


ぽつり、呟いた独り言は春の名残に溶けていく


どうせここにいても授業なんて受けないし、帰ろうかな


太陽の発する暖かみに眠くなりつつも頭を働かせ家路のことを考える


と、普段なら静かなこの場所に何やら物音が聞こえた気がした


キィー…


聞きなれた音は古びたドアの音で誰かがここに入ってきたことを示している


毎日のように喧嘩だの騒動だのを起こしているだけあって、ひとの気配には敏感だった俺は、素早く立ち上がりその姿を確認すべく移動する



カシャン……


フェンスに寄りかかるような音に釣られて視線を動かすと、








天使がいた