「今日は慎の日だから…!」
「…?そうか、わかったよ。ゆっくりするね」
「うん!」
余りにもキラキラした瞳でそう言われれば拒むことなんかできない
それに打って変わって楽しくなった翼はいそいそとキッチンに戻って食器を洗う
あとでケーキも焼こう…!
そんなことは一切しらない慎はもちろんゆっくりなんか出来ず、動き回る翼を見つめていた
それから翼は何をすればいいのかと悩んだ上、掃除や洗濯などをひとりでやった
洗濯なんかは普段はクリーニングに頼りっぱなしだったため少し苦戦したが楽しくできた
干すときは届かずに慎に椅子を使ったら?と言われるまで気づかなかったが……
時間は目まぐるしいほど早く進んでいく
3時に差し掛かった時計を見て翼は思い出したようにキッチンに行き、綺麗に焼き上がったケーキを取り出した
慎は甘いものが苦手なのでなるべく慎の好みにあわせて砂糖を控えて、プチパンケーキにしたのだ
「慎、アフタヌーンティー…だっけ?」
「それがどうしたの?」
「一緒にやろう…?ケーキも焼いたの」
飽きることなく動き回る翼を見つめていた慎はにこりと笑って手招きをする
出てきたのは美味しそうなプチパンケーキと、慎が好きなコーヒー

