よろず屋本舗。





「……帰ってきてたんだ」


すぐ傍まで歩いて、立ち止まって、わたしはそう、声をかけた。

お墓の前に居たその人――有架は、わたしを見下ろして「うん」と、小さく相槌を打った。


「今年はちょっと、帰ってくるの遅れて」


そう言った有架の足元に、荷物が置いてあることに気が付いた。

一番に、ここへ来て、くれたのか。


「……忙しいの?」わたしは尋ねる。

「……ちょっとね。」有架は少しだけ笑って、答えた。



そういえば有架は、来年の3月、大学を卒業する年、だっけ。



「……早いなあ」


わたしが思わずつぶやくと、有架は笑いながら「お前が言うな」と、わたしの頭を軽く叩いた。

皆まで言わずとも、わたしの言いたかったことは、バレバレだったらしい。

わたしは叩かれた頭を擦りながら、持っていた水や花束を地面へ置く。

古いお花を替えようと手を伸ばすと、それよりも早く、有架に花を持って行かれた。