「…………っ」
夏の日差しが眩しい。
黒っぽい髪の毛が、輝いて見える。
その人は、膝をついて、瞼を閉じていた。
「…………っ」
声をかけようか迷った。
迷って、足を止めている間に、その人がゆっくりと瞼を持ち上げた。
そうしてしばらく、お墓を見つめる。
――何を、考えているのかな。
「――あ。」
ぼんやりと見つめていたら、立ち上がった相手に、見つかってしまった。
目が合う。
わたしは一瞬、たじろいで、でも目を逸らさずに、止めていた足を前へと踏み出した。
一歩一歩、歩み寄る。
意外にもヤツは、黙ってそこに居てくれた。


