「……だな」 ぼそり、と。 聞こえるか聞こえないかの間の音量で、有架は言った。 「――……ホントバカだな、袮夏」 ペダルを蹴る。 残念ながら俺は、その言葉をしっかりと聞き止めた。 やかましいわ、と内心で言い返す。 ひとりで全部背負い込んで、笑えないお前のほうがもっとバカやで、有架。 「あーもう今日はめっちゃ楽しいことやるでコラァアッ!」 思い切り叫んでやる。 後ろで有架が笑った。 「うるせーよバカ」 ―What's your name?― end.