「なんやお前、めっちゃしゃべれるやん!」
ドライアイスのヤツは何が何だか、という表情をして、それから一転呆れたような、いや、諦めたような顔で答えた。
「……誰がしゃべれねーっつったよ」
たぶんこっちがヤツの素だ。
「だってお前さっきまで全然しゃべらへんかったやん」
「お前うざそうだったからな。」
「なにそれひどい」
「実際うざくてしゃべったこと後悔してるわ。」
「なにそれもひどい」
「っつーかなんでそんな俺としゃべりたかったわけ」
怪訝そうな顔で俺を若干見上げてくるヤツの目は現在、陰りがない。
なんでしゃべりたかったかって聞かれると難しいなあ。
手持無沙汰に、チャリのベルを一度、リン…と鳴らした。
「……なんでやろうなあ」
「は?」
「なんか気になってん」
「はあ?」
「だってお前、目。なんやワケアリみたいな目してたし」


