楽しいこと、というのはどこにでも転がっていると思う。
どんな状況でも楽しんだモン勝ちだ。
悔やんでいる時間の方が無駄で、過ぎたことは過去のことで、どうにもならないことより今を楽しむ。
俺は基本そうやって生きてきたし、後悔なんてものをしたことがなかったし。
だから、余計気になったのかもしれない。
前の席に座る、ドライアイスみたいに冷たいヤツが。
―What's your name?―
「なあー」
呼びかける。先を歩くその背中に反応はない。
何度呼びかけても反応はないし、むしろ完璧に拒絶されている気しかしない。
高校に入学してから3日。
1日目にちょっといろいろあって、前の席に居たコイツを巻き添えにする形になり、二人して指導室行き&反省文の刑を喰らった。
それから話すように……なったかっちゅーと、見ての通り。なってない。
なんやろなあ…コイツが入学式の日、俺の前の席に座った時から気になってんけどコイツ、なんやめっちゃ冷めてない?
どんくらい冷めてるかっちゅーと、ドライアイスくらい。
「……聞こえてへんのー?」
「…………。」
「おーい」
「…………。」
とことん無視。


