むかっとしたので、正面向いて両手を振り回そうとしたら、今度はその手を掴まれた。
私は心底、捕まりやすいなあ。
「七瀬が可愛いことするのが悪い」
「なにそれー!」
私は充電しようとしただけですー!と言おうとして、やめた。
右手の指が絡まる。視線が交わる。
あ、ダメだ逃げられない。
逃げようとも思わないけど。
どちらからともなく唇を重ねた。
そっと。やさしく。
そうして離れて見つめ合って、なんだか知らないけど二人して笑った。
しあわせだなあと、思った。
きっと明日もこうして、なんでもないような1日になるんだろうな、なんて。
これからもずっと、こんな日常が続いて行くんだろうな、って。
そんな、夢みたいな話を、私は――。
――そこで、目が覚めた。


