よろず屋本舗。





「……なに?」

「えへへ、なんでもなーい」


笑って誤魔化すと、有架は納得いかないように眉根を少しだけ寄せる。

でも特に問いただすことなく課題に戻った。

私はそれを見届けて、今度こそ気を取り直し、画用紙を一心不乱に見つめた。

さてさて、舞い降りておいで、素晴らしいアイデア。




*****




何枚画用紙を使っただろう。

ふと気が付けば、私は持ってきていた画用紙のほとんどを使ってアイデアを描き止めていた。

信じられないくらいにいい案が浮かんできて、忘れないうちにと全部描いていたらあっという間。

ふう、と息をついてカップを手に取り口をつけたら、こっちはいつの間にか中身が空になっていた。

今何時だろう、と思って時計を見ようとして、視界に入るテーブル。

その上に、突っ伏して眠ってる、私の恋人さん。

いつから眠っちゃってるんだろう、と今度こそ時計を見ると、時刻は10時を半分くらい回っていた。

私は再び突っ伏して眠っている有架を見つめた。

今日、忙しかったみたいだもんね。

ちょっとだけ笑って、私は画用紙と鉛筆を床にそっと置く。

膝をついてお馬さんみたいな恰好でテーブルに近づく。

音を立てないようにそっと。