よろず屋本舗。





どこか冷めてるんだよね。本人はそんなつもりないのかなあとも思うんだけど。

「でもそれがいい!」なんていう子もいるし、たまに友達と話してる時に見る笑顔を見つけた子は「もっといい!」って言ってるし、ようするにヤツはモテる。

そりゃ、かっこいいし。見た目だけでも十分モテる要因にはなる。

でも私は思う。

有架がホントはちょっと不器用なだけで優しくて、人のこと実は考えてるっていうのをみんなが知ったら、もっとモテちゃうんだろうなーって。

あんまりモテすぎると私もさすがに嫉妬しちゃうので、その事実は内緒にしておきたい。


そんなわけで今日も、さり気なく優しい有架が淹れてくれたミルクティーを私はちょこっとずつ飲むのです。

だってもったいない。せっかく淹れてくれたのに。

私はクッションに座って膝を立てて、その立てた足に画用紙を立て掛けるようにして置き、見つめる。

私がアイデアを待ってる時によくする恰好がこれなのだ。

有架はテーブルにノートや本やらを開いて置き、課題をやっている。

こういう時、有架は私に「テーブル使えば?」とは言わない。

私がこの格好でアイデアを待つことを知っているんだと思う。

それでもちょっとテーブルに余裕を持たせてノートを開いていることを、私は知っている。

初めて気づいたときはなんだかもう言い表せないくらいうれしくて、笑いだしそうになるのを必死でこらえてた。今もにやけそう。

そしてテーブルに置かれたコーヒーの入ったカップは、私が今床に置いているミルクティーの入ったカップと同じだったりする。

一緒に買ったくせに、それでもにやけそう。

たえろ私ー!と思いながら両手で口元を隠していると、有架が不意に顔を上げた。

当然みたいに目が合う。