「…………」
外から部活動の声が響いてくる。
私は窓の外に顔を向けた。
夕日が空の色を茜に染めている。
静かな教室。
心が安らぐ時。
ひどく、泣きだしたくなった。
――ガラッ
うっすらと、瞳を涙の膜が多い始めた時、教室のドアが開いた。
私は驚いて目を擦る。
まさかグループの子が戻ってきたのかと思って、とてもじゃないけど慌てた。
そして顔を向けたドアの向こう、予想だにしなかった人物が立っていた。
「…………」
二人して黙り込む。
ドアの向こうの彼女も、私が居たことに驚いているようで、目をぱっちりと開いてこちらを見ていた。
私は、彼女のそんな表情を、いや、そもそも無表情以外の表情を見たのが、初めてだった。
しばしの沈黙が教室を埋める。
その沈黙を破ったのは、私ではなかった。
「……あ、あの……」
動揺したような声で彼女、永瑠ちゃんは口を開いた。


