私は笑顔で話しに相槌を打つ。
笑ってれば、とりあえずはどうにでもなるのだ。
「でさー」とリーダーが話をどんどん変えていく。私はまだついていけている。
ついていけなくなっては、いけないのだから。
……あぁ、何やってんだろう。
不意に込み上げてくる感覚には、もう慣れている。
虚無。
私はふと、目線を教室の隅に投げた。
後ろの席。角っこの席。
今日も静かに座る、小さな姿。
いつも何時に来ているのかわからない。でも私が教室に入った時には、いつもすでに着席しているクラスメイト。
黒髪のショートヘア。きちんと見たことはないけど、綺麗な顔。制服を着て居なければ、もしかしたら男の子に見えるかもしれないその子は、今日もセーラー服をきちんと校則通りに着ていた。
いつも誰とも話さない。存在感なんてあったものじゃない。息をひそめて、ただそこに居るだけのような彼女の。
名前は、
「……あー、永瑠だっけ?」
その声にハッとした。
同時に、しまった、とも思った。
私は視線をリーダーへと戻す。彼女も私を見ていた。
死にたくなった。


