保健室からじゃなく、保健室の窓の傍にある桜の木の方向から、ちーちゃんの元気な声が響いてきた。
俺と花梨は、同時にそちらを振り向いた。
――きっと、二人とも、思ったことは同じだろう。
桜の木の、下。
笑顔のちーちゃんの隣に、名前も外見もカッコよすぎなヤツが、存在していた。
「……うそ…」
驚いて、泣き始める花梨。
だが、俺は正反対の反応を返した。
にんまりと笑い、ムカつくイケメン野郎に、地面に降り積もっていた桜の花びらを蹴り上げてやった。
ザッ…!
「よぉ、久しぶりだな、コノヤロウ」
ピンク色のスプラッシュの中。
一ノ瀬は、ニッと笑って、こう言った。
「うるせェよ、バーカ」
【End】


