「……あーもういいや!」
俺は傘を乱暴に畳んで右手に持った。
残念ながら、俺のバカな頭じゃ、こんくらいしか思いつかなかったわけだ。
俺は手を口元に添えて、昇降口に居る一ノ瀬に叫んだ。
「一ノ瀬ぇえ――ッッ!!帰ろうぜぇえッッ!!」
その声に気が付いたアイツは、俺へと視線を向けて、
「は?」みたいな顔をして俺を凝視した。
微かに口が動いたのが見て取れた。
“お前、バカ?”
そう言ったんだと俺にはわかった。
……コノヤロウ(怒)。
「さっさと帰るぞバカイトォオオ――ッッ!!」
時たまちーちゃんが言っている“バカイト”というのを、持ってこいなこの場面で使わせていただいた。


