「いやー少年いつ見ても愉快だね!いいと思うよそういうの!」

「よ、よろこんでいいのかわからない……!」

「ところで、キミたちなんの話してたの?」

「先輩は気にしなくていいですよ。」


尋ねてきた先輩にそう返せば、先輩はきょとんとした顔でこちらを見た。

かと思えば、興味津々といった表情を浮かべた。

そういえばこの人は、秘密とかにすると逆に騒がしくなる人だった。しくじったな。


「そんなこと言われるとすごい気になるんだけど!え、なになに!?誰も居ない放課後の教室でヒミツの話とか何それ怪しい!あたしも仲間に入りたい!」


何が怪しいのかさっぱりわからない。


「……高橋の勉強の話です。」

「勉強の話?」


面倒なので答えると、先輩は再びきょとんとした顔になる。

かと思えば今度は、ゲッ!とでも言いたそうな表情に変わった。


「勉強とかヤダ!やっぱりあたしは蚊帳の外でいいです!」

「そうですか。」

「っていうか、なんで高橋クンの勉強の話?」


蚊帳の外でよかったんじゃないんですか。


「俺が欠点を4つも取ったからです……」


ようやく起き上がり、椅子に座り直した高橋本人が受け答えをする。

渡辺先輩はその答えを聞いて口を開いたまま固まった。

反応が分かりやすくて何より。