京は夕暮れの空を見上げたまま。 頑なに“アイツ”の名前を言おうとしないのは、言うと泣いてしまいそうだからだろうか。 だから未来はそのことに、何も言わなかった。 「…すっごくいい子だった。北沢さん。」 「うん」 「今度は幸せになってくれるといいなって思うよ。」 「そうね」 未来は柔らかな声色で、一言うなずいて。 京と同じ、茜色に染まる空を見上げた。 【end】