「……わたし、朝倉さんのこと、好きになって、本当によかったです」
涙の混じる声で告げる。
朝倉さんはちょっと戸惑ったように、真顔で。
「……そう言ってもらえて光栄です。」
真面目な口調で言うものだから。
わたしは思わず、泣きながら笑ってしまった。
本当に本当に、素敵な人だと、思った。
出会えてよかったと、思った。
恋をしてよかったと、心から、思った。
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「――カナ!」
駅に行くと、いつから待っていたのか、フミが転がるように駆け寄ってきた。
それからガシッとわたしの両肩を掴んで、落ち着かない風に言う。
「どうだった!?」
そわそわしているフミに、わたしは「ふふふ」と笑顔を向けて、答える。
「ダメでした~」
わたしの答えと表情にあまりにも差があるからだろう、フミは眉根を寄せた。
そんなフミに、わたしは元気いっぱいに。


