頭上から、女性の声が降ってきた。
反射的に顔を上げると、目の覚めるような美人、朝倉さんが居た。
慌てて立ち上がる。
「は、はい!北沢です!」
「…あのーそんな緊張しなくても。あたしただのその辺に居る一般人なんで。ホント。」
「す、すみません…!!」
ぺこぺこ頭を下げると、朝倉さんは「いや、あの…もういいや。」と、諦めた。
あ、諦められてしまった…!!
グサッとショックを受けているわたし。
朝倉さんはそんなわたしに「とりあえず頭下げるのやめてください」と言う。
わたしがゆっくりと頭を上げると、朝倉さんは「うむ。」とうなずいて。
「とりあえず腹減ったんで、どっか入りましょう。」
「…は、はあ」
「そこで話しましょう。そうしましょう。」
サバサバと言ってから、朝倉さんはくるりと踵を返す。
わたしは緊張が解けないまま、その後を追いかけた。
入ったのは広場の近くの喫茶店だ。
朝倉さん曰く「長居しても怒られないんで」ということらしい。


