わたしは自分のスマホを握りしめる。
フミがそんなわたしを見下ろして、笑う。
「ま、放課後にでも会えるかもなんでしょ?とにかく、連絡待ってみよう。ね?」
「うん…」
小さくうなずいて、わたしはスマホをポケットにしまった。
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昔から、わたしは村人Aだ。
演劇でも、運動会でも、目立たないし、影が薄い。
好きな人ができても、ずっと遠くから眺めてるだけで、その人に彼女ができて、こっそり影で泣いて、失恋するだけ。
ずっとずっと、そんな生き方をしてきた、村人A。
だから今回、頑張って朝倉さんを探して、頑張って気持ちを伝えたのは、わたしにとって、死ぬほど大事な一歩だったと思う。
だから別に、返事がノーでも、連絡すらなくても、いいと思ってる。
いいと思ってた、けど。
「……連絡来た…!」
ヴーヴー、とマナーモードで震えるスマートフォン。
お昼休み、フミと一緒にお昼ご飯を食べていた時のことだ。


