「もう大丈夫です」
「そう?じゃあ一応熱を測っておいてね」
「はい」
言葉と共に渡された体温計を受け取り、素直に熱を測る。
先生はそれを見届けると、キョウちゃん先輩へと視線を移した。
「京ちゃんごめんなさい、あとちょっとお願いできるかしら。これから職員会議があるのよ」
「あーいいですよ。」
「ごめんなさいね」
「いえいえ慣れてますんで。」
2回も謝った先生に、先輩はひらひらと右手を振った。
たしかに先輩は慣れてると思う。
特におれの扱いに関しては。もう2年近く世話を焼いているんだから。
先生が保健室を出ていくと、室内はしんと静まり返った。
半分開けられた窓の外からは部活動の声が、微かに聞こえてくる。
「……あ。」
不意に先輩が声を上げた。
何事かと思って先輩を見上げると、先輩は椅子から立ち上がる。
そのままベッドに乗り上げて、窓の方へと身を乗り出した。
古いベッドがぎぎっと唸る。
……っていうか、何してるんだろう先輩。
近い、近いです。何が近いって、身を乗り出してる先輩のスカート付近が近くってちょっと、あの。


