「…四郎。従子。先に帰っていろ。」

三蔵はそう言うと、小気味いい音で指の関節を鳴らし始めた。

「はーい。」

「兄さん、ほどほどに…。」

2人はそう言うと三蔵に背を向けて歩き出した。

次の瞬間。

周囲に鈍い音と、人々の悲鳴がこだまし始めた。

「兄さんも困った人だ。きっと"蒼眼"を見て、猛ってしまったんだね。」

「キャハハ!それを吐き出されるギャラリーの愚民も可哀想ね。」

そして四郎と従子は笑いながらその場を去っていった。