「覚えてる?この公園」



手を繋いだままあたしの方を振り向き、



ニコッと笑う。



その笑顔が、幼き日にここにあった笑顔と重なる。



外見は大人っぽくなったけど、あの頃から笑顔だけは変わらない。



あたしの、大好きな笑顔。



「覚えてる、よ……」


忘れられる訳がない。



あたしと桔平が初めて出会った大切な場所。



昨日のことのように思い出す。



あの日、1人で泣いていたあたしを



桔平は見つけてくれた。



まだ5歳の子供だった頃



家のしがらみなんか関係なく



そんなこと、頭の片隅にも思わない



本当に子供だった頃、あたしたちは出会った。