世界で一番大切なもの

「でも、そいつ1人のために集会って、そんなに偉いの?そいつ」



「う、ん…」



「バカバカしー」



「………」



今ごろ、桔平が挨拶でもしてるのだろうか…。



女の子たちに、キャーキャー言われて、



先生たちにはちやほやされて、



「葵ちゃん、大丈夫…?」



「え?」



「なんか、泣きそうな顔してる」



「………ッ」









矛盾していた。



会わないって決めたのに、



もう仲良くなんか出来ないって分かってるのに、



なのに、他の人があたしより先に桔平に会うのが悔しかった。



すごく、寂しかった。