学校から帰るとすぐに自宅の電話が鳴る。
あたしは部屋で携帯をいじって遊んでいた。

「電話だよ」

そう言われて受話器を受け取る。
携帯があるのに家に電話がかかってきた事が不思議だった。

「もしもし。代わりました」

《急に電話してごめんね。Bだけど分かる?》

電話は3年の先輩からだった。
T(あなた)があたしを好きだって事と次の日に空き教室で返事をしてほしいって事を伝えてくれた。



次の日TにOKの返事をした。
嬉しそうに笑ってくれた顔をぼんやりだけど覚えてる。
それは『ただの先輩』が『彼氏』 になったからだ。
あたしはそう思ってた。