「 か、楓くん・・・!! 」 心臓がうるさい。 ドアベルの音も聴こえないほど あたしは自分のことで精一杯で 深く息を吸って、 ”言うぞ!”と楓くんの居る カウンターの方へと顔を上げた。 「 菜緒さん? 」 不思議そうに、だけどいつもと変わらない 優しい微笑みを向けてくれる楓くん。 ”好きです”たった四文字、一言。 どうしてこんなに詰まるんだろう。