見つけた瞬間、二人とも少し
立ち止まって、見上げて、
「 楓くん・・・ 」
「 菜緒さん・・・ 」
”行きましょう!”と
顔を見合わせて同じことを言って、
開店したばかりの本屋さんに
入ってすぐ、同じコーナーへ行って
お互い新しい本を見つけて手にとって、
「 これ、面白そうじゃないですか? 」
「 俺、そういうの大好きです 」
持っている本を見つけたり、
欲しかった本を見つけたり、
お互いの好きな本をお勧めし合って
それから新刊を買って。
「 ・・・お腹空きません? 」
「 そろそろ移動しましょうか 」

