Black Coffee.






「 ・・・かっこいい 」





ムッとしながらもそう言えば
楽しそうに笑った彼が振り返って、





「 一応、男ですから 」





”このくらいはしますよ”と
前を歩き出した彼の背中を見ながら
あたしがどのくらいまた彼のことを
好きになったか、なんて、





きっとこの人は知らない。





「 新しい本屋、って
  確かあっちですよね 」


「 え?こっちじゃないんですか? 」


「 そっちは古本屋だったと思います 」





全く方向の分からないあたしに
道を教えながらしばらく歩いていると
綺麗な本屋さんを見つけた。