笑顔で返して、涙が零れないように 彼に背中を向けてうえを向く。 これが夢だって言われても 文句は言えないなぁ・・・・ 変わらない景色の中、 ぼんやりそんなことを思っていた。 「 菜緒さん! 」 「 へっ・・・? 」 再度聞こえた彼の声に 驚いて振り返ると、 少し息を切らした彼が 目の前まで来て、 「 これ、俺の番号とアドレス。 よかったら連絡ください 」 「 ・・・あ、はい 」 「 それだけです!・・・じゃあ 」