Black Coffee.






「 着いちゃいましたね 」


「 あっという間でしたね 」





お互い普段できないような
マニアックな話をしていたせいか
いつも長く感じる駅までの時間は
本当にあっという間だった。





駅を出てしまえば彼はあたしとは
逆方向へ行ってしまう。





「 あたし、こっちなので 」


「 じゃあ、また明日! 」


「 ・・・・はい・・・ 」





もう、明日なんてないんじゃないか、って
思ってたあたしにとっては
涙が出るほど、嬉しかった。