・・・・どうしよう。
「 水、出しましょうか? 」
「 あ、いえ・・・
買ってあるので・・・ 」
出会ったのも、
再会したのも、
同じ電車、同じ場所。
”運命”なんて
ありもしないことが
頭を過ぎって、かき消すように
錠剤を口に放り込んで
水を流し込んだ。
「 菜緒さん、本当に
忙しかったんですね 」
「 ・・・・え? 」
「 前より痩せましたよね?
それにクマも・・・ 」
前は、どんな顔をして
どんな話をしていたんだろう。
表情がうまく作れなくて、
”そんなことないですよ”と
苦笑して俯いた。

