「 ・・・ねぇ、紗希 」 楓くんから貸してもらった 本をきゅっ、と抱いて あたしは紗希から顔を逸らした。 「 舞さん、彼女だったよ。 大学卒業したら結婚するんだって 」 こんなことくらいで泣いていたら キリがない。 分かっているのに それでも涙はこみ上げてきて、 あたしの思いとは裏腹に あふれ出して頬を濡らした。