「え、男の子ってこと?!」
「そう!あ、優ちゃんにはまだナイショね。
優ちゃん、涼ちゃんが兄離れしちゃったから淋しくて、子どもは男の子が良いって言ってたのよ」
「へぇ、優兄ちゃんは女の子が良いかと思ってた」
「それがね、女の子だといつかお嫁に行く時耐えられないから嫌なんだって。
笑っちゃうでしょ?そんな先のこと考えるなんて」
お姉ちゃんはケラケラと笑って言った。
「だから涼ちゃんが咲にプロポーズしたって聞いて、優ちゃんてばかなり落ち込んでたのよ?
大好きな弟と、妹みたいな咲が、同時に巣立っていった気分だって」
「なっ…プ、プロポーズって…」
私は思わずご飯を吹き出しそうになる。
「あれは涼が勝手に…ていうかそんなマジじゃないよ」
「え?そうなの?
だって涼ちゃん、昔から咲のこと大好きだったじゃない」
お姉ちゃんがキョトンとした表情で聞いた。
お姉ちゃんまで涼の気持ち、気付いてたなんて…
だけど…
「…だって涼は5個も下で、
まだ大学生になったばっかだよ?
そんな、結婚とか…」
あるわけない。
あまりにも突拍子すぎるよ。
「…ねぇ、お姉ちゃん」
「ん?」
「お姉ちゃんはいつから、優兄ちゃんのこと好きだったの?」
私は意を決して聞いた。
「私?うーん…そうだなぁ」
肉じゃがをのんきに頬張りながら考えるお姉ちゃん。
私はその姿をドキドキしながら見つめた。

