悩んだ結果、私たちが選んだのはペアのマグカップ。
定番っちゃぁ定番だけど、色違いの花柄ですごく可愛くて、私は自分用にも欲しいくらいだった。
「来週、一緒に渡しに行く?」
「そだな」
プレゼント用にラッピングしてもらったマグカップを手に、私たちはお店を後にする。
「あれ、咲じゃない?」
その時、突然呼ばれて私は驚いて振り向いた。
「やっぱりー!ちょー久しぶりじゃない?成人式以来?!」
「え、ユミ?久しぶり!」
そこに居たのは、高校の同級生のユミだった。
成人式以来だから、約3年ぶりに会う。
「元気ー?変わってないねー咲」
「ユミこそ、相変わらず元気そう」
「元気元気!
そうだ、ちょうど良かった!今度さ、タモツたちとクラス会やろうって話してんの。
咲も来てよー!」
「う、うん」
「…って、あれ、もしかして彼氏?!」
ユミが、後ろにいる涼に気付き、私と顔を見比べた。
「やだ!ちょーイケメンじゃん!
咲ってばいつのまにー!!ちょっと、紹介しなさいよぉ」
「違うって!この子は幼なじみ!弟みたいなもんだよ」
私は慌てて首を横に振る。
「えーそうなの?でもこんな幼なじみなんてうらやましい〜。
あ、私咲と高校の同級生のユミって言います〜」
ユミが涼に向かって笑顔で言った。
「…俺、あっち見てるから」
だけど涼はそれをムシすると、背を向けて行ってしまった。
「え、ちょ、涼?!
ごめんユミ、また連絡するね」
私は慌ててその後を追いかけた。
「ちょっと涼、待ってってば!」
私の声も聞こえないフリして、涼はどんどん歩いていく。
「涼、ちょっと!」
私は涼の腕を掴んだ。

