「ベッドに入る頃にはあったまっててくれないと、俺も冷たいからな」
お礼を言おうと開いた口が、最後の発言で固まる。数秒後、その意味するところを察した私がまた真っ赤になって抗議するのと、静さんが笑いながらアクセルを踏んだのとは同時だった。
結局いつものようにからかわれたり、笑われたりしながら、車に揺られること数時間。
ようやく降り立ったところは湖のそばのペンションだった。平日の今日、もちろん宿泊することはできないけれど、夕食もそこで作って、のんびりとした時間が過ごせるから、ということで静さんが昨夜決めてくれたデートの場所である。
「バイト、休みにしてくれてよかったな」
既に木立の中は薄暗く、足元を確かめながら歩こうとしていた私に、静さんが手をさしのべてくれた。
葉子さんたちの粋な計らいのことを話した時、静さんも嬉しそうにしてくれていた気がしたのは、やはり気のせいじゃなかったんだ――と嬉しくなって、口元が緩む。
「そんなに嬉しいのか? そうだな、どうしても近場じゃ小うるさい奴らどもが邪魔してくるからなかなかくつろげんからな――今日はゆっくり可愛がってやるから、覚悟しておけよ」
耳元で囁かれて、また赤面する私。もう、終始こんな状態だから、静さんといると心臓がもたないのだ。
一緒にいる時間が長くなれば長くなるほど、慣れて動じなくなってもいいはずなのに、反比例してドキドキは大きくなるばかり。そして、白いペンキが塗られた清潔なペンションの扉を開けた瞬間、今度は違うドキドキに襲われた。
「これ……!」
お礼を言おうと開いた口が、最後の発言で固まる。数秒後、その意味するところを察した私がまた真っ赤になって抗議するのと、静さんが笑いながらアクセルを踏んだのとは同時だった。
結局いつものようにからかわれたり、笑われたりしながら、車に揺られること数時間。
ようやく降り立ったところは湖のそばのペンションだった。平日の今日、もちろん宿泊することはできないけれど、夕食もそこで作って、のんびりとした時間が過ごせるから、ということで静さんが昨夜決めてくれたデートの場所である。
「バイト、休みにしてくれてよかったな」
既に木立の中は薄暗く、足元を確かめながら歩こうとしていた私に、静さんが手をさしのべてくれた。
葉子さんたちの粋な計らいのことを話した時、静さんも嬉しそうにしてくれていた気がしたのは、やはり気のせいじゃなかったんだ――と嬉しくなって、口元が緩む。
「そんなに嬉しいのか? そうだな、どうしても近場じゃ小うるさい奴らどもが邪魔してくるからなかなかくつろげんからな――今日はゆっくり可愛がってやるから、覚悟しておけよ」
耳元で囁かれて、また赤面する私。もう、終始こんな状態だから、静さんといると心臓がもたないのだ。
一緒にいる時間が長くなれば長くなるほど、慣れて動じなくなってもいいはずなのに、反比例してドキドキは大きくなるばかり。そして、白いペンキが塗られた清潔なペンションの扉を開けた瞬間、今度は違うドキドキに襲われた。
「これ……!」

