春をありがとう*2*



「ちゃんと話せた?」


長椅子から立ち上がった翔太に訊かれた。


「うん、話せたよ。明日…家に来る」

「そっか…大丈夫」


翔太は私の頭を撫でてくれた。


「翔太?」

「ん?」

「ありがとう」


翔太は私の頭から手をのけて歩き始めた。


「え…翔太?」


私は慌てて追いかけて翔太の横に並んだ。


「うっせぇ…」


翔太は顔を真っ赤にしていた。