コンコン…


「はい…」


中から日向の声が聞こえた。


「俺、ここにおるけん。後で聞かせて」


翔太は廊下の長椅子に座った。


「うん」


私はゆっくりドアを開けて病室に足を踏み入れた。

振り返ってドアを閉める時、翔太が口パクで「頑張れ」って言ったのが見えた。