「1つ聞いてええ?」


私は小さな決心をした。


「何?」

「幼稚園…どこやったん?」


曽我部 日向は少し驚いた顔をした。


「幼稚園…?」


明らかに動揺している。


「そう、幼稚園。言いたなかったら別にかまんけど」

「いや、言いたくない訳ではないんだけど…記憶がないんだ」


ほら、やっぱり。


「俺、6歳より前の記憶がないんだ。でも、どうして幼稚園のことを聞いたの?」

「うん…幼稚園の時に仲が良かった男の子の面影がある気がして」