「俺にそっくりな人がいたんですよね?その人は、とても大切な人だったんでしょう?ちょっとびっくりしたけど、温かい気持ちになりました」 本当に優しい笑顔で言うもんだから、言葉が出なくなってしまった。 「美春、よかったな?」 翔太にそう言われても、頷くのが精一杯で、普通に立っているのが精一杯で・・・。 だって私は、去っていく彼の姿に確かに、確かに11年前の日向の姿を見たから。 彼は日向だと、確信してしまったから。