「遅い!」

駅に着いたとたん親友の麻季に言われる。

「ごめんごめん。」

あたしは近くのベンチに座り、髪が崩れていないか制服のポケットから鏡を取りだし確認する。

「柚妃~。」

隣に座った麻季が退屈そうに脚をブラブラさせながら言う。

「んー?」

「あたし青春したい!」





え?
青春?

意味がわからないあたし。
そんなあたしに呆れながら麻季は


「恋がしたい!」

と言った。



恋…




恋…




恋…


そういえばあたし、
あの時から恋なんかしてなかった。