「では、あたしは用事があるので……。本当にすみませんでした!」

「あ、うん。ばいばい!」


彼女はペコッと軽く会釈をすると、パタパタと走って行ってしまった。



なんていうか………

美和ちゃんて、ものすごく可愛い。

ちっちゃくて、ふわふわしてて天然ぽくて………


あんなに可愛い子、初めてみた。




「………あ、直人、こんなところにいた。お前なにやってんだよー!」

「………え、あ、ごめん!」

「お前忘れ物とってきたの?」

「待ってて!即とってくる!!」


そう言って講堂まで走り出す。

自分の火照りを沈めるように……



うららかな春。

俺、如月直人は
ベタな展開で出会った君に

恋をしてしまったみたいです。




【完】